映画『パリの恋人』(1957年)のレビュー考察&感想!~銀幕の妖精オードリー・ヘプバーンのファッション七変化にも注目~

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映画レビュー

  1. はじめに・・・
  2. 映画『パリの恋人』(Funny Face)あらすじ
  3. 映画『パリの恋人』登場人物・キャスト紹介
    1. ジョー・ストックトン(演:オードリー・ヘプバーン)
    2. ディック・エイブリー(演:フレッド・アステア)
    3. マギー・プレスコット(演:ケイ・トンプソン)
    4. ポール・デュバル(演:ロバート・フレミング)
  4. 映画『パリの恋人』オードリーのファッション・スタイルに注目!<イーディス・ヘッド&ユベール・ド・ジバンシィの最強タッグ!>
    1. 素朴なワンピースで<お堅いインテリ女子>をキュートに演出
    2. お洒落レインコートでパリを観光
    3. 黒タイトな着こなしで当時のクラブ・シーンを演出
    4. ジバンシィのツーピースで「極楽鳥」に大変身!
    5. 凱旋門でキュートに着こなすリトル・ブラックドレス
    6. ディオールのドレス・スーツで涙…
    7. 麗しの夜会ドレスに萌え♡
    8. ルーブル美術館を駆け降りるジバンシィのレッド・ドレス
    9. 可憐に着こなすジバンシィのウエディングドレス
  5. 映画『パリの恋人』見どころ・感想・トリビア
    1. オードリー・ヘプバーン&フレッド・アステアが実現させた<夢の共演>!その舞台裏は?
    2. 登場人物には実在モデルが存在してる!
    3. オードリー渾身の<解放ダンス>がアバンギャルドすぎる!
    4. 大人のやらかし恋愛はムードたっぷりに。
    5. 永遠のダンス神フレッド・アステア!流麗なステップを心ゆくまで堪能しよう
    6. 夢のような恋ダンスにウットリ。オードリー・ヘプバーン<美しさ爆発>の瞬間がここに…!
  6. 最後に・・・。

はじめに・・・


今回は「銀幕の妖精に思いを馳せる」をテーマに、オードリー・ヘプバーン主演のロマンス・ミュージカル映画『パリの恋人』を紹介していきたいと思います。
哲学かぶれの地味ヒロインと軽薄なファッション・カメラマン、相容れない独身男女がハプニング的な出逢いを果たし、激しくぶつかり拒絶し合いながらもロマンチックな関係に吞まれていく…。
ノスタルジックな世界観が美しい、香り高く可憐なラブコメディ。
当時世界的なファッション・アイコンでもあったオードリー・ヘプバーンの衣装七変化、永遠のダンス神フレッド・アステアとの華麗なるダンス饗宴、美しきパリを存分に味わえる優雅なロケーションが秀逸すぎて思わずウットリ♡
せわしない日常を忘れ、古き良き時代にタイムスリップ旅行してみたい…そんな日にぴったりな娯楽ロマン。
感性豊かな女性たちに是非お勧めしたい、ポップで可憐な愛おし映画なのです。


映画『パリの恋人』(Funny Face)あらすじ


華やかなる50年代ニューヨーク。
一流ファッション誌「QUALITY」の編集室は今、マンネリという名のスランプに陥っている。
「つまらない。不景気。怠惰。」
そこで女編集長のマギーは思いつく。
「ファッションに興味がない、インテリ女性をテーマにしたファッションを打ち出すわ!!」
追い込まれたときは逆転の発想に限る!
「そう!インテリ女性だって綺麗になれるのよ!」
しかし、最先端のモデル女たちからはどうしてもインテリ感が導き出せず、撮影担当ディックの提案により、スタジオを出て<書店>での撮影を決行するのだった。
そして視察中にピッタリな場所を見つけた!
堅苦しく殺風景な本屋「PHILOSOPHY LITERATURE」。

しかし、そこに立ちはだかるは哲学かぶれの店員ジョー。
「流行とは要するに自己欺瞞です!愚かな女の写真などで時間を空費すべきじゃありません!協力できない!出て行ってください!」
インテリ女性は口も立つようだ。
しかしながら…店内はアポなし撮影スタッフ&モデルたちに強制占拠され、しまいにはつまみ出されてしまう。
撮影後、膨大な本の後片付けを手伝うディック。
店内を荒らされて怒り心頭のジョーに寄り添い、哲学を語る彼女を見つめるうち…妙な気分になってくる。
そして不意打ちのキス。
再会を促しつつ職場へと帰っていくのでした。

いろんな意味でアクシデントだったにせよ地味女子ジョーの魅力に気付いたディックは、編集室に戻るや否や彼女をモデル起用することをゴリ押しする。
「美しいFunny-Faceだ。」
絶妙な駆け引きで編集長マギー&ジョーを説得したディックは、上機嫌でパリ出張撮影に出発するが…?!

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映画『パリの恋人』登場人物・キャスト紹介

ジョー・ストックトン(演:オードリー・ヘプバーン)


ジョーは書店「PHILOSOPHY LITERATURE」の店員で、地味な哲学マニア。
だからなのか、可愛い顔して独身です。
推しの哲学者はパリを拠点に活躍するエミール・フロストル教授。
パリ行きに承諾したのは「彼に会えるかも」とディックに言いくるめられたから。
インテリだけど純粋無垢で、優等生ながら自由奔放。
「いつしかこの矛盾から解放されたい」と願ういじらしい女性なのです。

そんなジョーを演じているのは銀幕の妖精オードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)。
とてつもなく可愛いです♡
バレエ仕込みの可憐なダンス、ウルウルと輝く瞳、天使の笑顔、ハイブランド・ファッションを堂々着こなすカリスマ性。。
総てが神懸ってる!
でも特に絶品なのは恋する涙・・・・
麗しい涙目がクローズアップされ、「やっぱり妖精だわ♡」と頷いてしまうのです。


ディック・エイブリー(演:フレッド・アステア)


ディックは一流ファッション誌「QUALITY」編集室の専属カメラマン。
常日頃からモデル&敏腕編集長を言いくるめて「信じる写真」を押し通す..いわゆるエゴイストで、対人関係における共感性は低め。
そんな彼が、よりにもよって「共感主義」を啓蒙するインテリ女性と恋に落ちてしまう。
腑に落ちないけど、好きになっちゃったから仕方ないww。
やらかし系独身貴族のスッタモンダ劇って、いつの時代にも愛されるテーマなんですね。

そんなディックを演じてるのは<永遠のダンス神>フレッド・アステア(Fred Astaire)。
ダンディーな軽薄男、めっちゃ似合いますよね。
ヒロインとの年齢差をものともしない品格&威厳を感じさせます。
でも一番の見どころはダンス・シーン。
気品ある歌唱と軽快ステップ、小物使いがお洒落なテクニカル・ダンス、ジゴロな笑み…全てがゴージャスの極み!
ハリウッド黄金期の天才芸をたっぷり堪能出来ちゃいます。


マギー・プレスコット(演:ケイ・トンプソン)


マギーは一流ファッション誌「QUALITY」の敏腕編集長。
時代を見抜くセンスに長け、勝利を勝ち取る為なら「どんな手を使ってでも」出し抜く非情さもある。
そのへんはディックと相性が良いので、ジョーが登場するまで2人は<無敵の名コンビ>だった。
社運を賭けたミス・クオリティーを<ド素人・・・のジョー>に託したのも、ディックの主張なら間違いないと信じたから…。
しかし現実はディックと同様、畑違いなジョーに振り回されっぱなしww。
「策士策に溺れる」具合が面白い、愛すべき自爆キャラなのです。

そんなマギー編集長を演じているのはケイ・トンプソン(Kay Thompson)。
とっても多彩な彼女は児童書エロイーズ本シリーズの作家であり、ヴォーカルアレンジャー、ヴォーカルコーチなども手掛ける人気歌手。
シンガーソングライター&振付師としても活躍していて、華やかなるハリウッド映画黄金期を陰で支えた実力者であります。
50年代からは自らも映画出演するようになり、本作『パリの恋人』出演を切っ掛けに女優としても有名になりました。
「どうりで!」と納得しちゃう存在感。
フレッド・アステアとのダンス饗宴も息ピッタリ。余裕の貫録です。

ポール・デュバル(演:ロバート・フレミング)


デュバルはパリのトップデザイナー。
今回、他誌を出し抜こうとするマギー編集長の策に乗っかり<独占契約>を結びました。
トップデザイナー&カリスマ編集長という神タッグだったのですが、ド素人モデルのスッタモンダに巻き込まれるだなんて…全くの想定外でした。
世界中のメディアを轟かすであろう「伝説のファッションショー」をお笑いステージにされては困る!
マギーの前フリからして堂々たるカリスマ・・・・・・・・像を予測してたので、瞬間湯沸かし器の如くプリップリで登場した彼に「おやおや?」ってなるww。

そんなデュバルを演じているのはイギリス人俳優ロバート・フレミング(Robert Flemyng)。
母国イギリスでは30本以上もの映画に出演する人気者でした。
ライトコメディを中心に、重厚な人間ドラマ~ミュージカルまで幅広い役どころをこなし、TVシリーズ・舞台作品にも積極的に挑んだ実力派俳優。
取っつき難さ・・・・・・とコミカルさの塩梅が絶妙で、主要キャラを邪魔しないながらも味わい深く…さり気ないシャレオツ演技に脱帽しきりなのです。。

映画『パリの恋人』オードリーのファッション・スタイルに注目!<イーディス・ヘッド&ユベール・ド・ジバンシィの最強タッグ!>


オードリー・ヘプバーンはハリウッド黄金期にて「美の概念を変えた」偉大なるファッション・アイコンですが、彼女がアイコンたりえたのは強力なブレーンのお陰でもあります。
オードリーは当時主流だったグラマラスとは正反対の華奢ボディーで、あどけない少女っぽさ・・・・・・・・・・「ちょっぴり私にもマネできそう?」なリベラル感もありました。
それでいて優雅で上品。まさに新時代の顔。


そんな彼女を放っておかなかったのが当時まだ新人デザイナーだったユベール・ド・ジバンシィ(Hubert de Givenchy)と映画衣裳デザイナーのイーディス・ヘッド(Edith Head)。
2人はオードリーの映画でタッグを組み、最強衣裳&コーディネイトをバンバン打ち出していきます。
本作『パリの恋人』も、そんな2人が手掛けた作品のひとつ。
イーディスがセレクトしたハイブランド・コーデも楽しいし、ジバンシィのドレスは夢のように美しい。
ここでは「永遠の妖精」オードリーが劇中で着こなした衣裳のうち、特に印象深かった衣裳を紹介していきたいと思います。

素朴なワンピースで<お堅いインテリ女子>をキュートに演出


序盤に登場するジョーはお堅い地味女子で、ファッションスタイルも無難です。
黒タートルにHラインのチュニック&ひざ下トラぺーズ(台形)スカートを合わせ、ローファーには黒いひざ下ソックスを合わせて…という質素系。

しかし質素系とはいえ、ついついマネしたくなる可愛い仕上がり。
大きなボタン&スカート&靴をブラウンで統一し、黒の差し色(髪色も含め)をバランスよく配して主役のグレーチュニックを引き立たせています。
非常に好感度の高いコーディネイトで、いつの時代にも応用が利く組み合わせ。
イーディス・ヘッドにかかればインテリ女子だってキュートに輝くのです。

お洒落レインコートでパリを観光


ジョー、ディック、マギー、それぞれが単独でパリ観光を楽しむシーン。
ジョーのコーディネイトがすごく可愛い。

エルメスのキャメル色レインコートを着てるんだけど、袖はロールアップして同色のレザー・グローブでペアリング。
髪はタイトにまとめ、黒タートル&黒サブリナパンツ&黒ローファー(フェラガモ)、靴下で全体を引き締めてアクティブに!
お得意の全開スマイルと軽快ダンスが加われば、もう怖いもの敵なしです。
パリの美観と共にウキウキ楽しい気分にさせてくれます♪

黒タイトな着こなしで当時のクラブ・シーンを演出


リハーサルの呼び出し電話に気付かずナイトクラブで<共感主義>交流を楽しんでいたジョーが、車で駆け付けたディックに無理やり連れ戻されるシーン。
この時、腹立ちまぎれに「怒りの開放ダンス」とかいうのを踊りだすのですが、これがビックリするほどアバンギャルド!
思わず釘付けになってしまうのですが、その時のファッションも可愛い。

パリ観光ルックからレインコートを脱いだだけの真っ黒コーデなんですけど、スレンダーボディーが功を成してとってもコケティッシュ♡
靴下だけ黒→白にチェンジして、豪快なステップを際立たせてる。(さすがイーディス。)
怪し気なライティングと湿った空気感が、当時のクラブシーンを彷彿とさせてカッコいいです!

ジバンシィのツーピースで「極楽鳥」に大変身!


これまで黒系コーディネイト中心だったジョーがランウェイに立ち、初めて着せられたのがピンク&白のエレガントドレス。
デザイナーのデュバルが「彼女は極楽鳥になった!」と叫ぶ。
シンプルな美ドレスにダイアモンドティアラ&イヤリングが輝きを添える。
「私じゃないみたい♡」とウットリする彼女。

このシーンのドレスはジバンシィのツーピース・ドレス。
ピンクガウンのバックスタイルはなだらかなトレーンになっていて、歩くたび優雅に揺れる。
刺繡も飾りもないけれど、上質感漂うドレスなのです。
この時の感情の高ぶりは、今後の彼女の人生を大きく変える切っ掛けとなります。

凱旋門でキュートに着こなすリトル・ブラックドレス


リハーサルを終え、いよいよロケーション撮影の始まり。
カリスマ・カメラマンの腕の見せ所。
ここでディックのエゴイスト・・・・・が露になってくる。
「分かるかな?いま君は幸せなんだ。何でもいいから嬉しくなって走れ!」
凱旋門の前で風船をたくさん持たされたジョーが困惑する。
仕事だから・・・と無理からポーズを作るんだけど、何故だかこれが絵になってしまう。
ディックのカメラマン魂にも俄然エンジンかかってくる!

この時オードリーが着てたのはジバンシィのリトルブラックドレス。
タイトなボディーとカーブスカートのコントラストが美しく、バレリーナ体型のオードリーにぴったりなドレスです。
これに合わせたスペイシー(宇宙的)な丸ハットも彼女のコケティッシュさを際立たせてて◎。
不思議な組み合わせだけど、遊び心あるオードリーにはぴったりなスタイリングなんですね。

ディオールのドレス・スーツで涙…


そして、お次はドレス・スーツ。
駅のホームにジョーを立たせ「今日の君は幸せじゃない。悲劇のヒロイン、アンナ・カレーニナだ。」「とにかく崇高に悲しめ!」と急き立てるディック。
またもや困惑顔のジョーですが、「恋人との別れのキスだ」と軽くキスされると表情が一変します。

この時に着ていたのはディオールのツーピースドレス・スーツ。
装飾など無く、シンプルで上品なグレーのスーツ。
だけど帽子・手袋・靴を温かみのあるブラウンで統一し、手には赤い花束とワンちゃん。
さり気なく抱えた毛皮のコート&籠バスケットの組み合わせで絶妙な美コーディネイトを成している。
しかし、ディオールのドレス・スーツで涙なんて…。
この時流した涙は余りにも切なく…そして美しかった。

麗しの夜会ドレスに萌え♡


「私は魔法で鳥にされたプリンスを悲しむお姫様なのね。」

堂々とイマジネーションを働かせ微笑むジョー。
「ポーズをとるのはカメラマンじゃない、衣装を着た私なのよ。」
…そう言ってるみたいな、自信に満ちた微笑み。
もう的外れなアドバイスは要らない。

この時に着てるドレスはジバンシィのイブニングドレス。
華奢なデコルテラインが映える、オフショルダーの白ドレス。
胸元とベルラインのスカート部に大きなフラワー刺繍、ショルダーに小さなリボンが施されたデザインがフェミニンで麗しい♡
ディズニー映画「白雪姫」のヒロインのようなヘア・スタイルも、オードリーのプリンセス感を際立たせていてGOODです。

ルーブル美術館を駆け降りるジバンシィのレッド・ドレス


お次は打って変わって迫力満点、ジバンシィの赤ドレス。
ルーブル美術館の大階段がロケーションの舞台。
階段下でカメラを構え、階段から下りてくるジョーを待つディック。
「用意出来たら合図して!何でもいいから合図を!」と叫ぶジョー。
思うままにポージングするから、いいタイミングでシャッターを切りなさい!くらいの自信です。

真っ赤なドレスで大階段を駆け下りるジョーはもはやカリスマ。
「早く撮って!止まるのはイヤよ!早くっ!」
いつの間にやらロケの主導権は彼女のものに。…ディックのエゴなんか通用しない。
ジョーはファッションに目覚め、ディックも段々と共感性に目覚めていくのです。

可憐に着こなすジバンシィのウエディングドレス


最後に紹介するドレスはウエディングドレス。
もちろんジバンシィ。
「今日は結婚式。一番幸せな日だ。最愛の人が教会で待ってる。」と煽るディック。
でもジョーは大粒の涙を潤ませる。
恋する涙。
ウソの結婚式なんか演じられない…。

このシーンのオードリーが一番美しいです。
夢のような古城のほとりでキスを交わし、流麗なダンスを奏でる。
「白鳥の湖」を踊るプリマドンナみたいに美しく、軽やか&清楚なウエディング・ドレス。
ベールにちょこんと乗せた小さなリボンも可愛らしい♡
ティアラじゃなくて、白くて小さいリボン。
輝く瞳にティアラなんて必要ないですね。

映画『パリの恋人』見どころ・感想・トリビア

オードリー・ヘプバーン&フレッド・アステアが実現させた<夢の共演>!その舞台裏は?


『パリの恋人』が製作された当時、映画製作会社が俳優と独占契約・・・・・・・してるのは普通の事だったそう。
そして本作はフレッド・アステアが所属する<MGM>が企画してた。
因みにオードリーは<パラマウント>所属の女優。。
「うちのオードリーは<MGM>に貸し出さないからね!」
みたいな大人の事情で、2人の共演は絶望的だったんだそうです。

しかし!どうしても共演したいオードリー。
フレッドも同じ気持ちで、他の仕事を全部中止させてスタンバってる。
2人の意思はあまりに固い。
結果…パラマウントから「将来うちのオードリーがMGMの映画に1本出演するよ」という打開案が打ち出され話がまとまったんだそうです。(粘り勝ちww)
そして何なら…と企画自体をパラマウントが買い取り、製作もパラマウントが担当する事に。
MGMがフレッドを貸し出すことになるので、ある意味<痛み分け>ですね。。

登場人物には実在モデルが存在してる!


実は、『パリの恋人』の登場人物の中にはモデルとなった実在のモデルがいます。
写真家ディック&マギー編集長です。

ディックのモデルは、当時バリバリの全盛期だったファッション写真家リチャード・アヴェドン(Richard Avedon)。
『ハーパーズ・バザー』や『ヴォーグ』などの有力ファッション雑誌で大活躍してた人物です。
大胆な構図、斬新な躍動美、シネティックな演出写真で時の人となった。
ディオールの「ニュールック」写真なんかでも有名です。

そしてマギーのモデルは『ヴォーグ』編集長のダイアナ・ヴリーランド(Diana Vreeland)。
世界的ファッション・アイコンで、『ハーパーズ・バザー』や『ヴォーグ』誌を人気雑誌にした張本人。
時代を見抜くセンスだけじゃなく新たなる才能・・・・・・の発掘にも長け、数多くのデザイナーや写真家、モデルを世に送り出した実力者なのであります。
ということはこの2人も・・・
ディック&マギーのような<最強のニコイチ>コンビだった…という事なんですね。
因みに、本作『パリの恋人』ではリチャード・アヴェドン本人がビジュアル・コンサルタントを担当しています。

オードリー渾身の<解放ダンス>がアバンギャルドすぎる!


先程も触れましたが、ナイトクラブで披露するオードリーのダンスがアバンギャルドすぎてヤバいです!


共感主義たちとの触れ合いに水を差し、哲学を茶化すディックに憤慨して踊る「解放ダンス」。
前衛芸術とバレエの融合みたいな…妖しくもアグレッシブな演出、美しき異様さに度肝を抜かれる。

このシーンだけ、「まるで別人!」な退廃オーラが漂ってる。
とにかく見て欲しい!
個人的には…大好物です♡

大人のやらかし恋愛はムードたっぷりに。


自らのエゴに酔い、恋が出来ない男。
アイデンティティが強すぎて恋を逃してる女。
この時点で「やらかし感」がプ~ンと匂うのですが、たがいもなく思いっきり正面衝突するww。
恋とも分からずのキスで気まずい思いをし、近づく距離感も分からずにお互いの畑を荒らす。
自らが流す涙の意味・・・・に気付けず、深く深く傷ついてしまう。
これぞ、大人のやらかし恋愛。


しかしながら、いつの時代にもこのテーマは人を惹きつける。
なぜなら・・・
すれ違う分だけ「ロマンチックの達成感」がハンパ無いから!
不器用とか未完成って…実は魅力的だし、時に崇高なほど美しい。
<未完成の美>ってよく出来た言葉よね。
そしてこの恋物語の主人公はオードリー&フレッド。
背景には美しいパリ。
怖いもんなし!
「ムードたっぷりに」…なんてもんじゃなかったです!!

永遠のダンス神フレッド・アステア!流麗なステップを心ゆくまで堪能しよう


先ほどのオードリーも凄かったのですが、フレッド・アステアの流麗ステップを心ゆくまで堪能できるのも本作の魅力。
そして個人的にいちばん「ほぉ~~っ!」て目を奪われたのは、ホテル前でジョーの為に踊ったダンス。
このシーンで纏ってた衣装&小物はダンスのモチーフとしてフル活用される。

ダンスのテーマは「闘牛士」。
赤い裏地の白コートは牛を誘うケープ(ムレータ)となり、手持ちの傘はムレータ棒から槍に変わる。
まるでそこに牛がいるかのようなダイナミックなアクション、着地が見えないくらいの流麗な足運び、起承転結がしっかり押さえられたストーリー性…すべてが完璧に構築されている。
本当に素晴らしいダンス・シーンです。
さすが永遠のダンス神!
その名に恥じぬ名演技でした。

夢のような恋ダンスにウットリ。オードリー・ヘプバーン<美しさ爆発>の瞬間がここに…!


そして最後に紹介するのは、2人が切望したダンス共演シーンの中でも最高潮にウットリな恋ダンス。
先程も少し触れましたが…、夢のような古城で踊るウエディング・ドレス姿のオードリーが美しすぎます。


オードリーの「真の美しさ」が爆発する瞬間、思わずもらい泣きしちゃうくらいの美しい涙…。
その後に踊る流麗ダンス。
完璧な流れ。
ワルツとバレエのマリアージュが美しい<絶品ダンス>は、この動画の後にも延々続きます。
・・・。
観てない人、、、めっちゃ見たくなってきたでしょ?(笑)
芸術・アートが好きな方は特に必見!なシーンです。
因みにこの古城はフランスの「Castle of the White Queen<白い王妃の城>(「Château de la Reine Blanche」)」だそうです。
いつか行けたら嬉しいな。。

最後に・・・。


という事で・・・。
今回は、私が愛してやまないロマンス映画『パリの恋人』について語ってみました。
何度観ても色褪せない名作です。
何度も観た方も、「興味が湧いてきた!」という方も、楽しんで読んで頂けていたら嬉しいです♡

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