『ノッティング・ヒルの恋人』<あらすじ>
今回は<甘いシネマ>ブログの初回!という事で..大好きなリチャード・カーティス作品をチョイスしました。
「ノッティングヒルの恋人(Notting Hill)」(1999年9月4日公開)です。
ラブコメ派からの支持率100%のカーティス監督が脚本を手掛けたイギリス映画で、主演はヒュー・グラント&ジュリア・ロバーツ。(約束されたトキメキ♡)
作品の舞台は90年代ロンドンのノッティングヒル。
アンティークマーケットや骨董市賑わうノスタルジックな街での物語。
ここで小さな本屋さんを営む平凡な(ちょっぴりダサめな)主人公ウィル。
旅行書専門だけど全然売れず、相変わらず閑古鳥が鳴く店内。
途方に暮れてボンヤリしていると、ロケで来訪中の女優アナ・スコットが突然のご来店!
不意打ち過ぎて戸惑うウィル…だったが、その後まさかまさかの恋へ進展!!

積極的な人気女優&平凡な優男、2人が繰り広げるこじらせ純愛劇から目が離せない。
2人を取り巻く友情にも心温まるほっこり系ヒューマン・ラブコメディ。
少なくとも年1では(隙あらばもっと頻繁に)観たくなる、愛すべき名作なのです。
『ノッティング・ヒルの恋人』~愛すべきキャラたち&キャスト紹介~
<ウィリアム・タッカー> 演:ヒュー・グラント (Hugh Grant)

ウィリアム・タッカーは、ノッティングヒルの片隅で小さな本屋を営む主人公。
持ち前のお人好しが災いし、青いドアの小さな家で経営者らしからぬカツカツ生活を送っています。
バツイチ&押しの弱さで女っ気も無い、流行にも疎く冴えない男。
それでも気の置けない仲間たち&大好きな旅行書に囲まれての暮らしを愛し、ちょっとした思いやりを忘れない優しい男なのです。
演じるのはヒュー・グラントで、まあ当たり役!
控えめな声のトーン、柔らかな物腰、おっちょこちょいなムードが愛らしくて俄然応援したくなる。
ちょいちょいキョドる感じも3枚目にシフトしたヒュー様らしくて可愛いです。
<アナ・スコット> 演:ジュリア・ロバーツ (Julia Roberts)

アナ・スコットは人気ハリウッド女優。
強靭な精神力で芸能界を勝ち抜いてきたキャリア才女だけど、時々自信を無くす人間臭さもある。
人気俳優との噂が絶えないモテモテ女優だけど、いわゆる一般人との普通の恋を成就させたことが無くて、どこか寂し気な雰囲気を醸し出してるとこが愁い。
大人の悟り⇔子どもっぽい激情、冷めた恋愛観⇔純愛思考…危うく揺れ動く乙女心と日々闘ってます。
演じるのはジュリア・ロバーツ。
人気あり過ぎて逆の偏見を持たれがちだけど、実は演技派ですよね。
心地よい女っぽさとほのかな母性、時折見せる少女っぽさで優しさストーリーを包み込みます。
<スパイク> 演:リス・エヴァンス (Rhys Ifans)

スパイクはウィル(ウィリアム)の同居人。
アナーキーな芸術家で、細かいことは気にしないプチ変態さん。
それでも意外と男らしい一面を持っていて、キメるべき時にはビシッとキメるクールガイです。
家の中どころか玄関先までパンツ一丁で歩き回り、欲望のままに部屋を荒らすのがたまに傷…。
演じるのは、コア層の支持率高きリス・エヴァンス。
かくいう私も隠れファンであります。
また今度、彼の出演映画についても語りたいと思ってます。
概念に囚われない尖った個性、それでも愛さずにいられないキュートさがツボります。
<ハニー> 演:エマ・チャンバース (Emma Chambers)

ハニーはウィルの妹。
安月給でレコード屋に勤務してる自由人です。
変わり者だけど兄思い、仲間たちから愛されるムードメーカー的存在。
痛い系には変わりないけど、人の良さがそれを超えてくる魅力人なのです。
演じるのはエマ・チャンバース。
クレイジーな妹も、彼女が演じれば不思議なチャーミングさと中毒性が絡み合って愛おしさ満点!
実際、彼女くらい物怖じしないメンタルがあれば人生変わるよね。
(イギリスではコメディー女優として有名だった彼女、主にTVで活躍してきましたが…2018年に亡くなってしまいました。。
ヒュー・グラントは「愉快でとても心の温かい人だった。そしてもちろん素晴らしい女優だった。非常に悲しい。」と追悼コメントをしています。
お茶の間で愛された彼女ですが、実は長年喘息や慢性的アレルギーと闘っていたそうです。)
<ベラ> 演:ジーナ・マッキー (Gina McKee)

ベラはウィルの元カノで、今となっては彼にとって良き理解者のひとりです。
不運な事故で車イス生活を余儀なくされてるんだけど、夫マックスの溺愛に支えられてポジティブな毎日を過ごしてます。
個性溢れる仲間の中では貴重な常識人で、いつの間にか皆のまとめ役に…。
演じてるのはジーナ・マッキー。
凛とした親しみやすさがある女優さんだしベラ役にドンピシャですね。
イギリスの作品ではちょこちょこお見掛けしますが、最近TVドラマ「ボディーガード-守るべきもの-」で彼女の姿を見つけた時には妙にテンションあがってしまいました♡
<マックス> 演:ティム・マッキナリー (Tim McInnerny)

マックスはベラの夫で、ウィルの長年の親友でもあります。
基本しっかり者で臨機応変タイプなんだけど、心地よいソファーみたいな柔らかさもあって皆の心の拠り所となっています。
妻ベラへの愛がダダ洩れ過ぎるとこが素敵ポイント!
演じてるのはティム・マッキナリー。
イギリスのいい味俳優で、最近では大好きなTVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」でも勇壮なお姿を見せてくれてました。(見た後に彼だと発覚し「うそん!」と絶句してしまった。)
<バーニー> 演:ヒュー・ボネヴィル (Hugh Bonneville)

バーニーはウィルの友人で、仕事の出来ない商社マン。
仕事出来ないばかりか空気も読めずドジばかり踏むけど、妙にホッとさせられる存在です。(寒い日のホットコーヒーみたいな感じ…。)
バーニーのキャラはリチャード・カーティス自身思い入れの強いキャラ像らしく、彼の作品には度々カタチを変えて登場してきます。(『アバウト・タイム』とか…。)
演じてるのはヒュー・ボネヴィル。
めちゃめちゃ良いです!バーニーがいてこそのノッティングヒルって思うくらいに。
憎めない困り顔と素直な瞳で、知らないうちに仲間を癒してます。
ヒュー・ボネヴィルはTVドラマ「ダウントン・アビー」や映画『パディントン』シリーズでも人気ですね。
<マーティン> 演:ジェームズ・ドレイファス (James Dreyfus)

マーティンはウィルの本屋の従業員で、オネエなインテリ男。
絶妙に心地いいスマートな距離感、従うと見せかけてしっかりマウント取って来る要領の良さ…全てがウィルとは真逆ですが、本当にいいコンビ♡
彼がどんなプライベートを過ごしてるのか…妙に気になっちゃいます。
演じてるのはジェームズ・ドレイファス。
90年代には本作での役にも通ずるゲイの役でシットコムに出演し、お茶の間の人気を博していたそう。
主に日本未配信のドラマや舞台で活躍中だけど、日本でも配信中のドラマ「ホワイトチャペル 終わりなき殺意」シーズン3では事件マニアの友人チャーリー・クロス役で登場しているようです。
これはチェックしなければ…。
『ノッティング・ヒルの恋人』~もう一度観たくなる7つの理由とは?~

気まずいハプニングが恋を産む – 逆シンデレラ恋愛のキュンキュン値は? –
ウィル&アナは、恋に落ちるまでに2回のハプニングを起こしています。
最初の出会いでは万引き犯が現れましたし、2回目の再会ではアナの服にオレンジジュースをぶっ掛けてしまいました。
でも、こーゆー気まずい時って人間性が出ちゃうもの。
そしてウィルの取った咄嗟の対応は、人気女優アナ・スコットの警戒心を解くに充分な優しさがありました。
アナの不意打ちキスは衝動なんかじゃ無く恋の確信。
ウィルはただただ夢見心地、キスの意味にも半信半疑でしたが…。
まさに逆シンデレラ恋愛、クライマックスに向けキュンキュン値は高まるばかりです。
心の距離を映画館で喩えたとえると?

大人のやらかし恋愛って、若気の至りよりもタチが悪いですよね。
培ってきた知恵が仇となったりして…。
本作ではカーティスお得意、涙腺に響く優しさストーリーでそれらを表現しています。
始めて映画館デートした時は隣同士で座り、どーでもいい作品を楽しんだ2人。
しかしある事件で恋に亀裂が走った時…ウィルは1人で映画館に行き、1人で彼女の主演映画を鑑賞するんです。
愛しいアナとはもうスクリーンでしか会えない。遠くなった距離を痛い程実感するんですね。
急に襲った心の距離を1人っきりの映画館に喩えるあたり、タマらなく繊細で美しいです。
ブラウニー争奪戦!- ラスト一個の極上ブラウニーは不幸自慢で勝ち取ろう –

あれってイギリスでは定番のテーブルゲームなのでしょうか?
日本でいうところの「遠慮の塊」? ラスト一個の食べ物を巡って不幸自慢を競う場面があります。
不幸自慢なんて普通だったらウザいだけですが、初対面のテーブルに限っては…程よく笑えていいのかもしれないですね。
アナは不幸自慢大会を征し、ウィルの親友たちや妹と仲良しに♡
で、あのブラウニーは誰の口に…!?
シャガールの名画<結婚>が伏線に!? -ヤギのバイオリン弾きがいる青い絵-
アナ&ウィルが決定的なケンカをする前、ウィルの部屋に飾られたシャガールの名画<結婚>を2人で眺め、意外と感じ方が似てることに気付くシーンがあります。
ヤギのバイオリン弾きがいる青い絵…。
リチャード・カーティスやウディ・アレンって、劇中に名画を絡ませるの上手いですよね。
絵の中で花嫁を包み込む男性はブルー。そこで何となくウィルの青いドアの家を思い浮かべます。
そして花嫁が持ってるブーケ。これはリッツカールトンでアナに渡した花束に似ています。
さらに、この絵は物語の中で重要な伏線アイテムとなってくるので…尚更心に焼き付いてしまうのです。
因みに、この絵を解説するアナが「あのヤギがいなきゃ幸せもない。」と言いましたが、あのヤギにはスパイクが投影されてるんじゃないかと感じます。
本作に於ける恋のキーマンって…実はスパイクだったりしますしね。。
ヘンリー・ジェイムズの小説が劇的に登場!これも伏線だったとは…!?

劇中、出演映画の台本読み合せを付き合ってくれたウィルから文芸ものへ出演を薦められたアナ。
ヘンリー・ジェイムズの小説なんかを題材にした世界観も似合うんじゃないかと…。
これも伏線になってたんですね。
それをよく覚えていたアナは、2度目のお別れで傷心の時期にヘンリー・ジェイムズの小説を映画化した文芸映画に出演します。
作品名は伏せてましたが、たぶん彼の代表作のひとつ「デイジー・ミラー」だったんだと思われます。
2人の恋愛にとても似たストーリーですし、旅行物語でもあるから。
これは、ウィルの本屋が旅行書専門であることに引っかけられてるのでしょう。
(因みに「デイジー・ミラー」は1974年にシビル・シェパード主演で映画化されてて、これ本当に美しい作品なので…興味が湧いたら是非観てみて下さいね。)
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ウィルが叫んだ「ウプシー・デイジー!」でアナが笑ったワケは?
これ、めっちゃ気になりませんでしたか?
調べてみたら「ウプシーデイジー!」って、お母さんが赤ちゃんの粗相を目の当たりにした時につい出ちゃう叫びらしいです。
「(デイジーったら)やーね!」=「この子ったら、やーね!」くらいの感じなのかな?
古いあやし言葉なんですね。ウィルはおっちょこちょいだから、小さい頃お母さんによく言われてたのかも。。
どちらにしても、大人男性から飛び出すセリフじゃない。
ウィルのユルさも表現されてるし、先述の「デイジー・ミラー」とも語呂が合ってて…妙に合点がいきました!
大物カメオにほっこり♡
大物カメオ登場のあのシーン、実は大好きなんです。
ハリウッドに居るはずのスター彼氏がサプライズでホテルに潜伏しちゃってたシーン。
意を決してウィルを部屋に呼んだのに…ウィルとスターが鉢合わせ!
ウィルを見て、薄々新しい彼氏なんじゃないかと感じつつもキスを見せつけるスター。
スター、アレック・ボールドウィン!
もう腰が砕けるくらいツボりましたww
衝撃のシーンなのに、なんかホッコリしちゃうんです。
アレック・ボールドウィンの表情…たまらん!ツボる!
最後に

ノッティングヒルの恋人 【BLU-RAY DISC】
<甘いシネマ>初回は、大好き過ぎて何度も観た映画『ノッティングヒルの恋人』について色々と語っちゃいました。
最後までのお付き合い、ありがとうございました。
こんな感じで、思い入れのある作品や役者さんについて日々語っていきたいと思ってます。
次はどの作品にしようかな。。
因みに、映画『ノッティングヒルの恋人』は現在U-NEXTで配信中です(2022年8月現在)!↓

<本ページの情報は2021年11月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにて
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