- 「ブロンクス物語/愛につつまれた街」ってどんな映画?
- 「ブロンクス物語」あらすじ
- 『ブロンクス物語』の感想・レビュー
- <『ブロンクス物語』キャスト&登場人物の特徴>
- 心に刺さる名言11選!<ロレンツォとソニーの言葉を深掘り>
- 「才能の無駄遣いは悲しい。使い方を誤ると何も起こらない。正しく使えば何でもできる。わかるか?」(ロレンツォ)
- 「大人になれば理由は分かる。」(ロレンツォ)
- 「息子は何も見てない!」(ロレンツォ)
- 「時には悪いことをした方がいい時もある。」(ロレンツォ)
- 「お前は間違ってない。ママもパパもお前を愛してる。」(ロレンツォ)
- 「お前は立派な男で尊敬するが、俺にそんな口を利くな。」(ソニー)
- 「問題は癌(がん)に似てる。発見が遅ければ命とりだ。即応性が大事なんだ。」(ソニー)
- 「恐怖には持続性がある。カネで買える友情に意味はない。」「誰も気にしない。」(ソニー)
- 「気にしてない。」(ロレンツォ)
- 「ソニーは誰も信用しない!奴は恐れられてるだけで誰からも愛されてない!家族を愛する人間になれ!」(ロレンツォ)
- 「人生で出会う理想の女は3人だけだ。」(ソニー)
- 他にも沢山の名言が・・・
- 『ブロンクス物語』トリビア
- 最後に・・・
「ブロンクス物語/愛につつまれた街」ってどんな映画?
「ブロンクス物語/愛につつまれた街」(A Bronx Tale)は1993年アメリカの犯罪ヒューマン映画。 移民間抗争が激しかった1960年代のニューヨーク・ベルモントを舞台に、そこで逞しく生きるイタリア系移民カロジェロとその父ロレンツォ、そしてカロジェロが憧れる地元マフィア、ソニーの3人が繰り広げる哀愁の人間ドラマです。 ブロンクス育ち、イタリア系の俳優チャズ・パルミンテリが、自ら演じる為の「独り舞台劇」として戯曲化した若き日の思い出伝記【ブロンクス物語】。 1989年にブロードウェイ化が決定した際、まだ無名に近かったチャズは18のキャラクターを一人で演じきり大絶賛されました。 そして、この革新的な舞台を見逃さなかったのが大物俳優ロバート・デ・ニーロ。 自身の子供時代とも重なるこの物語に心打たれ、歓喜しまくったデ・ニーロはチャズに接触。 (2人ともリトル・イタリー(ベルモント)出身です。) 「映画化したい!」と強く願い出ます。 無名俳優のチャズにとって、またと無い大チャンスでした。 でも強気の交渉を持ち掛ける。 「ソニー役は俺で、脚本の主導権も俺。」 だからデ・ニーロは、当たり役であろうソニーではなく堅気な父ロレンツォを演じた。 でも逆に味わい深い。 チャズ演じるマフィアは身震いするほどカッコよく、デ・ニーロ演じる生真面目な父からは優しい貫禄&悲哀が駄々洩れ。。 火花散る<男のロマン対決>に心掴まれ、息子目線で悟っていく<それぞれの愛>に目頭が熱くなる。 ロバート・デ・ニーロ初監督作にして最高の人生ドラマ『ブロンクス物語』。 愛おしくも哀しい名作ロマンです。 |
「ブロンクス物語」あらすじ

舞台は1960年、ニューヨークのブロンクス・ベルモント。 やんちゃ少年カロジェロが崇拝してるのは、ヤンキースのミッキー選手と「街の顔」ソニー。 ソニーは地元マフィアを束ねる絶対的ヒーロー。 街や自分たちを守ってくれるアウトロー救世主だった。 でもある日、カロジェロは憧れのソニーが白昼堂々人を撃つ光景を目の当たりにする。 そして、ショックを受ける間もなく「目撃者」として警察に駆り出されることに…。 カロジェロが彼に憧れ、彼ばかり見つめて暮らしてることは近所の人なら誰もが知ってるから…誰かがチクったのでしょう。 「息子は何も見てない!」と反論する父ロレンツォ。 息子が目撃したであろうことは明白だが、マフィアの抗争には巻き込ませたくない。 ロレンツォはソニーと正反対、ストイックなまでに生真面目なバスの運転手。 マフィアに憧れる息子にヤンキースの魅力を教え、バスの最前席に乗せて「働く男(自身の背中)」を見せてきた。 そんな息子が今、人生の分岐点に立たされている。 告発か偽証か…。 「知らんふりしとけ。」の圧を掛ける父の反対を押し切り、証言をすると決めたカロジェロ少年。 小さな子供が思いつく限りの正義感で<嘘(人違い)>を演じてみせる…。 これから我が息子は普通の人生を選べないだろう。 偽証した事でソニーの信頼を得たカロジェロは「悪党(街のヒーロー) vs.善人(苦労人父)」2つの父親像の間で揺れ動いていくが…。 |
『ブロンクス物語』の感想・レビュー
<『ブロンクス物語』キャスト&登場人物の特徴>
ロレンツォ・アネロ (演:ロバート・デ・ニーロ)

ロレンツォは気真面目なバスの運転手。 イタリア系アメリカ人が集うブロンクス・ベルモントの一角で妻&一人息子カロジェロと暮らしています。 低給料で贅沢はさせてあげられないけど、良き夫、父として愛に溢れた生活を送っています。 ただひとつ気掛かりなのは、息子がマフィア男ソニーに憧れまくってること。 真面目に働き、善良に生き、家族を愛する…その大切さを教えたいけど、一家が暮らしてるベルモントは治安が悪く移民間抗争が絶えない危険な街。 ここで安全に暮らせてるのは、ソニー率いるマフィアたちのお陰だった。 「毒を以て毒を制す」は暗黙の掟でした。 悩める父ロレンツォを演じてるのは名優ロバート・デ・ニーロ(Robert De Niro)。 デ・ニーロも主人公と同じリトル・イタリーで少年期を過ごしたイタリア系アメリカ人。 数々の作品でタッグを組んでるマーティン・スコセッシ監督もイタリア系ですね。 無名時代のデ・ニーロを『ゴッドファーザー PART II』の主人公に大抜擢したフランシス・フォード・コッポラ監督もイタリア系。 そして大物俳優になったデ・ニーロは、初監督作品となる本作『ブロンクス物語』で無名の同郷イタリア系俳優チャズ・パルミンテリをスターダムにのし上げた。 劇中、デ・ニーロは堅気で良心的な父親ロレンツォを熱演しています。 寓直で懐深く、逆境に屈しない強い父。 哀愁の眼差しと掠れ声、ジンワリ滲み出る男気にグッときます。 思わず応援したくなる背中がタマらないのです。 |
ソニー(演:チャズ・パルミンテリ)

ソニーはブロンクス・ベルモントでイタリア系マフィアを束ねる「街の顔」。 毎日のように街頭に立ち、子分マフィアを引き連れて談笑してる。 隣町のアフリカ系やアイルランド系勢力、ヘルス・エンジェルスなどの脅威から街を守ってくれる頼もしい男です。 その代わり、暗黙のチップや賭博金でリッチな生活を送ってる。 いわゆる街の必要悪。 愛を捨て、恐れられる人生を選んだ彼だけど…本当にリスペクトしてるのは「誠実に生きる男」。 まさにロレンツォのような男でした。 ソニーを演じてるのはチャズ・パルミンテリ(Chazz Palminteri)。 まだ無名俳優だった彼がブロンクスでの子供時代を思い起こして戯曲化、独り舞台に落とし込んだ「ブロンクス物語」がデ・ニーロの心を射止め、ソニー役での出演&ハリウッドでの成功へと導いていく。 (今でもデ・ニーロに感謝し続けてるそうです。) 独り舞台で18のキャラを演じ切るだけあって、劇中の彼からはタダものじゃない感が溢れ出ています。 凄味を含んだニヒルな笑顔、切れ者らしい紳士な振る舞い、ラスボスたる緊迫感が名言に深みを持たせてる。 人指し指と小指を立てた<コルナ>のジェスチャーがふざけたイタリア男っぽくて、とても印象深い。(ヘヴィ・メタル愛好家の間ではメロイック・サインとして浸透してるポーズ。) 実は孤独感を抱えていたりもするソニーの人間臭さを情感豊かに演じ切り、クライマックスの感動を味わい深いものにしました。 |
カロジェロ・アネロ/青年時代(リロ・ブランカト・ジュニア)

カロジェロ・アネロはロレンツォの息子。 ヤンキース観戦とソニーの物真似が大好きです。 父譲りの優しさがあるけど、治安最悪の街ブロンクスで生まれたが故に<街守るマフィア(ソニー)>をヒーロー視してる。 ここで生き抜くのに必要なのは揺るぎない権力だと子供心に感じてる。 「ソニーのような男になりたい。」 仲間とつるんでソニーを眺め、彼に接触する機会を常に伺ってました。 そして絶好のチャンスを掴んだのです。 そんなカロジェロ少年(青年時代)を演じてるのはリロ・ブランカト・ジュニア(Lillo Brancato Jr.)。 デ・ニーロに憧れ、デ・ニーロの物真似ばかりしてた彼はある日突然ニューヨークでスカウトされる。 エージェントの目から見ても、彼はデ・ニーロの息子役にピッタリだった。 ただ、その後の事を考えれば…これが彼にとってラッキーだったのか、不幸の始まりだったのかは分からない。 でも、劇中での彼はカロジェロ青年の「揺れ動く心」を見事に体現してる。 等身大の繊細さ、不安感、純情を伸びやかに表現してる。 掴みどころのない魅力に溢れています。 |
心に刺さる名言11選!<ロレンツォとソニーの言葉を深掘り>
「才能の無駄遣いは悲しい。使い方を誤ると何も起こらない。正しく使えば何でもできる。わかるか?」(ロレンツォ)

これはロレンツォの言葉。 息子カロジェロには、常日頃から「才能の無駄遣いをするな。」と言い聞かせてる。 この街で暮らす子供たち…特に我が子は《悪(マフィア)=ソニー》を崇拝してるフシがある。 苦労と我慢だけの負け犬人生なんか嫌だ…!オレは愛する家族が報われる人生を送りたい。 良心に囚われない、裕福でカッコいい大人になりたい。 ソニーみたくイケてる悪党になってやるんだ! ・・・そう思ってる。 古風で厳格、バカ正直なロレンツォを父に持つカロジェロ少年は常に「葛藤」を抱えて過ごしてる。 父を深くリスペクトしてるものの、良心だけじゃ「負け組」で人生を終えるかもしれないと危惧してる。 ロレンツォは息子にそう思われてることも承知で言い聞かせてます。 なけなしのお金でヤンキースの試合に連れていき、鉱山労働者の息子ながら大成功を収めたミッキー・マントル選手の雄姿を見せつける。 間接的に、(バス運転手の息子のお前だって、才能を正しく磨けばミッキーのような成功者になれるんだ…!)と伝えてる。 短絡的な考えでマフィアの道を選び、悲しい末路を迎えて欲しくないのですね。。 ※「才能の無駄遣いは悲しい。使い方を誤ると何も起こらない。正しく使えば何でもできる。わかるか?」 |
「大人になれば理由は分かる。」(ロレンツォ)
これもロレンツォの言葉。 たとえ厳しい現実を生きていても、小さな子供に「理性」や「道理」を求めるのは酷でしょう。 ヒントを送りながらじっくり見守り、「価値ある選択」をしてくれると信じるしかない。 全力で愛し、「才能の無駄遣いをするな」という重要な一言だけをリピートし記憶させてあげる。 そして人生の岐路に立ち、何かを選択した時…カロジェロは初めて気付くんですよね。 父がくれた言葉の意味に…。 ※「大人になれば理由は分かる。」 |
「息子は何も見てない!」(ロレンツォ)

誰よりも冷静温厚なロレンツォが、この時ばかりは激しく周囲を威圧しました。 ご近所の誰かがカロジェロが目撃してたはずだと警察に密告した時です。 警察をはねのけ、「チクったのは誰だ!」とばかりに野次馬一人一人を睨みつける。 助け合いながら暮らす同郷の人々も、我が身可愛さの前では他人事でしかない。 チクりもするさ。 人間って弱い生き物。だから買いかぶっちゃいけない。 まだ子供のカロジェロですら「チクるのは最低だろ?」って分かってるのに…。 人間って、大人になればなるほど保身に走る生き物なんですよね。(これが世のリアル。) そしてロレンツォは息子を守る為、普段つかない嘘をつきました。 ※「息子は何も見てない!」と…。 |
「時には悪いことをした方がいい時もある。」(ロレンツォ)
「息子は何も見てない!」と偽証したロレンツォですが…もうひとつ息子の為に嘘をつきました。 まだ幼いカロジェロがソニーの下で”違法バイト”をしてると気付いた時です。 「怒らないと約束するから本当のことを言え。」って言ったのに、カロジェロが白状したらガンガン怒った(笑) バカ正直なロレンツォだけど、息子を救う為には嘘もつく。 だから「僕は悪い奴を助けたの?」と息子に聞かれた時に言ったんです。 「時には悪いことをした方がいい時もある。」 人を救う嘘もあるし、見せかけの良心(偽善)もありますね。 難しいけど、岐路に立たされた時に「何を選択するか」が大事なんだと教えてるのでしょう。 これは実際のところ、大人になっても難しいんですが・・・。 |
「お前は間違ってない。ママもパパもお前を愛してる。」(ロレンツォ)

そして一番大事なのがこれ。 「お前は間違ってない。ママもパパもお前を愛してる。」 無償の愛…。 「何を選択するか」は大事だけど、何を選択したって愛してることに変わりは無い。 愛してるし、絶対に守る。 この普遍性がアネロ一家を支えてる。 逆に、裏切り者にも見えた心弱きチクリ魔たちにも彼らなりの正義(愛)がある。 偽善者となって守る愛もある…ということですよね? 自分がその立場ならどうしていたか…? 正義も不義理も抗争も..結局は不可抗力でしかないのかもしれない。。 でも「無償の愛」は違う。 これがあれば無敵なんです。 |
「お前は立派な男で尊敬するが、俺にそんな口を利くな。」(ソニー)

これはロレンツォに向けたソニーの主張。 ソニーは悪党(マフィア)だけど、無意味な乱暴は働かない。 街人たちを外敵から守り、恩人であるアネロ一家に対してリスペクト&力添えしてる。 でも… ソニーの溜り場に殴り込みをかけ、「息子に関わるな!」と凄む丸腰のロレンツォ。 仲良くするのは大目に見てたけど、汚く稼ぐ”違法バイト”は許せなかった。 「お前の力は知ってるが、俺は一線を越えはしない。(お前も)俺の家族を巻き込まないでくれ!」 袋叩き覚悟で真っ向勝負する。 で、ソニーは心から傷つくんです。 「お前は立派な男で尊敬するが、俺にそんな口を利くな。」 それでも「息子に関わるな!」と凄み続けるので、「実の息子のように面倒を見てるんだ」と主張する。 「でも俺の息子だ!」 2人(2人の父親像)が対峙したのはこの時が初めてでした。 振り返りもせず、カロジェロを抱き、堂々の背中で立ち去るロレンツォ。 その姿をしっかり心に刻むソニー。 ・・・男のロマンすぎるよね。。 |
「問題は癌(がん)に似てる。発見が遅ければ命とりだ。即応性が大事なんだ。」(ソニー)
これはソニーがカロジェロに教えた教訓。 このデンジャラスな街でいつ降りかかるか分からない脅威からカロジェロを守り続けてるソニー。 そして、守られてる事にも気付かずマフィアの世界に憧れるカロジェロ。 人生の選択を迫られる年頃になると、その傾向(マフィア化)はどんどん強くなっていきます。 暴君な幼馴染達にナメられぬよう、良心の呵責に苛まれながら粗暴に振る舞う。 そんな姿を見て「俺のマネはするな。これは俺の人生だ。お前には自分の人生がある。」と諭す。 ソニーはカロジェロの父ロレンツォの誠実な男気を誰よりもリスペクトしてるから。 カロジェロを守りたいけど、自分と同じ道には進ませたくはない。 ロレンツォのような人間になってほしい。 ある日ソニーは、知人に暴力を奮おうとするカロジェロを取っ捕まえて諭し、場所を変えて話始める。 自分がいつもこの街に立ってる理由を。 「問題は癌(がん)に似てる。発見が遅ければ命とりだ。即応性が大事なんだ。」 俺がいるから街に手出し出来ない。 侵略者たちが俺を恐れるからだと…。 カロジェロのプライドを傷つけないよう、間接的に「今、オマエは命取りになるところだったんだぞ!」の説教を匂わすけど… 若さゆえ軽率な勘違いをして正当化しちゃったww。 つまらないことで警察沙汰を起こし、人生を棒に振るところだったのに。 この時はまだ、自分が守られてる存在だと気付けなかったし気付きたくも無かったのでしょう。 誰にでもある若気の至り…なんですよね。 |
「恐怖には持続性がある。カネで買える友情に意味はない。」「誰も気にしない。」(ソニー)

その時カロジェロは「愛と恐怖はどっちが上?」と質問します。 ニヤリと笑ったソニーは「いい質問だ。」と言って話し始める。 出来れば両方欲しいとこだけど、どちらか選ぶなら恐れられたいと。 そして… 「恐怖には持続性がある。カネで買える友情に意味はない。」 と解きます。 恐怖は忠誠心を生む。 でも嫌われては上手くいかないから、仲間には適度に親切に、そして適度に必要とされるよう振る舞うんだと。 これぞ「君主論」。 ソニーがムショ暮らし中に読みふけったマキャベリの「君主論」。 それを教えた。 ソニーは、自分にはカネで買える仲間しかいないと自覚してる。 虚無な世界で生きている。 自分が死んだところで俺なんかすぐ忘れ、何なら悲しみもしない。 つまり、生きてようが死んでようが 「誰も気にしてない。」・・・ そんな生き方真似すんなと。 オマエは愛を選べ。…というソニーの愛情です。 |
「気にしてない。」(ロレンツォ)
これはロレンツォが言った「気にしてない。」です。 ソニーの「気にしてない。」とは対極の意味を持つ。 ソニーの「気にしてない。」は無関心や悲しみ。 でもロレンツォの「気にしてない。」は愛。 ある日、カロジェロは父に言いました。 「いつも傷つけてばかりでゴメンね。。」 優しくて誠実、気真面目な父ロレンツォの教えや思い出作りをすっぽかし、ソニーにベッタリだったカロジェロ。 急に申し訳なく思い、謝罪の言葉をかけました。 すると・・・ 「いいんだ。気にしてない。」 「何が?」くらいの、ひょうひょうとした表情。 怒りよりも、愛の方が大きいから全く気にしてない。 同じ「気にしてない。」でも全然意味合いが違うんです…。そこが泣ける。 何だか、、、ソニーがめちゃめちゃ寂しく可哀想に思えてくるんですよね。。 |
「ソニーは誰も信用しない!奴は恐れられてるだけで誰からも愛されてない!家族を愛する人間になれ!」(ロレンツォ)
これもロレンツォのセリフ。 ソニーに憧れすぎて不幸へ突き進む息子を助ける為、なりふり構わず叫んでしまった。 「ソニーは誰も信用しない!奴は恐れられてるだけで誰からも愛されてない!家族を愛する人間になれ!」 だけどこの時、カロジェロの心には響かなかった。 まだ夢見がちで多感な年ごろです。 2つの父親像に揺れ、彷徨いまくってた。 とは言え…この言葉はソニーの願いでもあった。 2人の父親は同じゴールを望んでた。 そして、このセリフは後々の涙腺崩壊シーンへの伏線となっています。 しっかりと噛み締めて欲しい一文です。 (ネタバレ防止の為、後々の涙腺崩壊シーンについては書かないでおきますね。) |
「人生で出会う理想の女は3人だけだ。」(ソニー)
これはソニーの説。 敵対するアフリカ系エリアの女性に初恋しちゃったカロジェロが、ソニーに恋愛相談した。 実父ロレンツォにも相談はしたけど、「友達の話」として話してみただけ。 父親に話すのは気恥ずかしいし…なにより、ソニーのように生きていくと決めた以上マフィアならどんな選択をするかを知りたくなった。 するとソニーは 「人生で出会う理想の女は3人だけだ。」 という。 お互いの気持ちが一致してるならそれが一番大事だし、彼女が3人のうちの一人かもしれないと。 10年に1人のボクサー級の女。 因みに、ソニーは16歳の時に3人同時に出会った(笑) 「そんなこともある」と。 だから・・・。 恐らく、ソニーは16歳の時にマフィアの世界に入ったのでしょう。 それ以降、本気の恋は許されなかった。 マフィアの世界に入るまでに3回恋をし、それっきり。 いつ殺されるかも分からない自分が恋をし、家庭を持つのは無責任だと思った。 責任感の強い彼ならそう思ったでしょう。 だから、大切なカロジェロにはマフィアになって欲しくない。 3回と言わず、自由に素敵な恋をして…ロレンツォのような勇敢で優しい父親になって欲しいんですね。 |
他にも沢山の名言が・・・
ここまで<心に刺さる名言>を紹介してきましたが、ネタバレしないように割愛したのも含めると…実際にはもっとある。 仕草が匂わす細かい伏線とかね。。 終盤に登場するロレンツォの名セリフとかもかなり泣けるので…じっくり噛み締め、優しい気持ちで見届けて欲しいです。。 随所随所、こっそりと感動が潜んでます。 デ・ニーロ&パルミンテリ、最高のタッグ脚本です! |
『ブロンクス物語』トリビア
チャズは今でも「ブロンクス物語」の舞台に立っている!
もともと『ブロンクス物語』は、チャズ・パルミンテリが自ら演じる為の「独り舞台劇」として戯曲化した若き日の思い出伝記であり、この独り舞台の成功が突破口となって映画化&ハリウッド俳優デビューへと繫がったのですが…。 実は、いまだにチャズ・パルミンテリは「ブロンクス物語」の舞台に立ち続けています! 凄くないですか!?(2023年現在71歳) 「ブロンクス物語」の独り舞台でアメリカを横断し続けています。 スケジュールはこちらです→(A Bronx Tale: One Man Show) こういう人生もあるんですね。 凄くカッコいいです! |
デ・ニーロは役作りで「クラスB」の免許を取得した
劇中、真面目なバス運転手に扮したデ・ニーロ。 映画の中だとはいえ、バスの運転をするとなれば実は…「乗客(passenger)」の承認が付いた商用運転免許証「クラスB」を取得する必要がありました。 「運転してるっぽくしたらいいじゃん。」と思いたくなるところですが・・・ リアリティー重視、演技派の彼は…これに挑んだ。 ニューヨーク州の了承を得たうえで商業運転免許証の訓練を受けさせてもらい、エアブレーキ付きクラス「B」の商業運転免許証を無事取得しました! (因みに、マサチューセッツ州ボストンのMBTAは、デ・ニーロが従業員ではないことを理由に訓練要請を拒否したようです。) 凄いプロ根性、そして凄い熱意だと思います! |
キャスリン・ナルドゥッチは意外な経緯で母親役をGETした!

撮影開始前、少年期のカロジェロ役オーディションに9歳の息子を連れてきた女性がいました。 そして彼女は、まだ空席の母親役オーディションがある事を聞いて参加してみた。 で…合格してしまった。 その彼女が母親役のキャスリン・ナルドゥッチ(Kathrine Narducci)でした。 因みにイタリア系。 しかも、父親は地元マフィアの実力者でした! ソニーみたいな男性ですよね。 キャスリン・ナルドゥッチは、このオーディションに合格して『ブロンクス物語』に出演。 以降ハリウッド女優として大成し、数多くの映画に出演しました。 ※2024年公開予定のロバート・デ・ニーロ主演ギャング映画『Wise Guys』でも、デ・ニーロの妻役として出演します!! (因みに、デ・ニーロは1人2役を演じています。) |
「アンタッチャブル」でも引き留め役だったあの俳優とは?
2-1024x683.jpg)
ロレンツォとソニーが初めて対峙した緊迫のシーン。 ソニーが丸腰のロレンツォを殺めてしまうかも…!? と危惧したソニーの右腕ジミー(通称ささやき)はロレンツォの腕を取って引き留めます。 そのジミーを演じてるのはクレム・カゼルタ(Clem Caserta)。 デ・ニーロの盟友です。 因みに彼は、本作の6年前の映画『アンタッチャブル』でもアル・カポネ役のデ・ニーロを引き留めるシーンを演じています。(弁護士に殴り掛かるシーン) |
カロジェロ役ブランカトが撮影中に起こした悲劇とは?
デ・ニーロの息子役(青年期のカロジェロ役)に突然スカウトされ、瞬く間にハリウッドデビューしちゃったラッキーボーイ、リロ・ブランカト・ジュニア。 だけどブランカトは撮影中、業界の悪しき誘惑に負けてしまったんです。 薬物に手を出してしまった。 これに気付いたデ・ニーロとパルミンテリは何度も注意・警告して止めようと試みましたがダメでした。 「愛と恐怖はどっちが上?」とソニーに質問する大事なシーンの直前だったそう。 その後コカインとヘロイン中毒になり、2005年に事件を起こして逮捕されました。 デ・ニーロもパルミンテリも彼を救えなかった。 突然スターダムにのし上げられた若者の悲劇。 リアルな現実です。 |
ブランカトが『ブロンクス物語』のアンサー的自伝映画に主演、是か非か!?
とは言え、ブランカトの演技力はハリウッドの宝。 事件を起こしてからの俳優人生だけど、コンスタントに出演作が続きます。 そして2018年、『無駄な才能』という自伝的ドキュメンタリー映画に本人役で出演しました。 『無駄な才能』というタイトルで思い浮かべるのは、本作『ブロンクス物語』で父役ロバート・デ・ニーロが言った名ゼリフ「才能の無駄遣いは悲しい」です。 ショービジネスに身を置いてからの悲劇や心の葛藤を綴ってる作品ですが、保身的アピールで事件をはぐらかしてるのでは?というアンチも出てきてる。 『ブロンクス物語』の名ゼリフを匂わせた作品名なだけに、より悲しさが増すのです。。 |
ソニーの車の車種は?
最後は明るいトリビアを。 本作『ブロンクス物語』で大切なモチーフとなったソニーの愛車ですが、車種は「1968年製キャデラックドゥビル コンパーチブル68367F」。 因みにドゥビルとは、フランス語で「街のクルマ」という意味が込められているそうです。 「街の顔」ソニーにピッタリな愛車ですね。 |
最後に・・・
今回はロバート・デ・ニーロ監督・主演の名作映画『ブロンクス物語』について語りつくしました。 楽しんで頂けましたか? 男のロマン・哀愁・愛がたっぷり詰まった人生ドラマ。 犯罪ドラマだけど、全感覚を研ぎ澄まして没頭するとどんどん心が温まってくる。 デ・ニーロ&パルミンテリの才能と男気に感服しつつ、しばらくこの余韻に浸りたいと思います。。 |
↓投票クリックよろしくお願いします♡ 励みにして頑張ります!
にほんブログ村