映画『セラヴィ!』仕事疲れは笑って吹き飛ばす!完璧主義者こそ笑えるコメディ映画! <クセ強キャラクター10人の性格分析&キャスト紹介>

※本ページはプロモーションが含まれています

映画レビュー

  1. 映画『セラヴィ!』ってどんな映画?
  2. 映画『セラヴィ!』あらすじ
  3. 映画『セラヴィ!』ーキャラクター達が変すぎる!? ー クセが強い登場人物10人を一挙紹介!
    1. マックス・アンジェリ(主人公:ウエディング会社経営&プランナー)/ジャン=ピエール・バクリ
    2. ギイ(マックスの親友:婚礼カメラマン)/ジャン=ポール・ルーヴ
    3. ジェームス(臨時スタッフ:余興バンドのシンガー)/ジル・ルルーシュ
    4. ジュリアン(マックスの義弟:メンヘラ給仕スタッフ)/ヴァンサン・マケーニュ
    5. アデル(マックスの助手:喧嘩っ早い女性スタッフ)/アイ・アイダラ
    6. ピエール(本挙式の新郎様:変人ナルシスト)/バンジャマン・ラヴェルネ
    7. エレナ(本挙式の新婦様:ド天然さん)/ジュディット・シュムラ
    8. サミー(臨時の給仕スタッフ:偽りの経験者)/アルバン・イヴァノフ
    9. ジョジアーヌ(マックスの愛人:常識ある給仕スタッフ)
    10. ロシャン(皿洗いスタッフ:マックスの口実作り役)
  4. 映画『セラヴィ!』に込めた監督のメッセージとは!? ー悲壮な世の中を笑い飛ばし、ポジティブに前進することの大切さー
  5. 映画『セラヴィ!』~クランス城の美しさ、感動の音楽に酔う~
  6. 映画『セラヴィ!』ー印象に残ったセリフ10選ー
    1. 「クソくらえよ。アホ面のくせに!」
    2. 「前進したければ自分を変えるんだ。」
    3. 「上品さを求めたはずだが?ショーにしたくない。タオルを振り回すのもゴメンだ。」
    4. 「ノドをあたためてる。」
    5. 「スリランカでは音楽をやってた。ほかの皿洗いたちと一緒にね。」
    6. 「イライラは禁物だ。冷静に対処しろ。」
    7. 「僕だよ。。。!?」
    8. 「白状しますが、スピーチは苦手です(照)」
    9. 「ナプキンを振り回して!ヘイ!愛のヘリコプターだっ!!」
    10. 「自分たちで考え、うまくやれ。」
  7. 最後に

映画『セラヴィ!』ってどんな映画?




映画『セラヴィ!』(Le Sens de la fête)は2017年、フランスのコメディ・ドラマ。
長年ウエディング会社の運営、及びプランナーとして数々の結婚式を手掛けてきた主人公と”クセが強すぎるスタッフたち”が巻き起こすハプニングの連続、そして窮地に立たされる度にあの手この手・・・・・・で乗り切っていこうと藻掻く姿をユーモラスに描いた作品。
監督はフランスを代表する黄金コンビ、エリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュ
2011年にヒューマン映画の名作『最強のふたり』を誕生させた名コンビです。
シビアな現実や哀しい人生と向き合う人々を描きつつも、「強く生きるためにはユーモアが大切なんだ」という信念のもと、”笑えて感動できる映画作り“に尽力してる2人。
そして本作『セラヴィ!』は『最強のふたり』と同じく、仕事上のパートナー・・・・・・・・・が力を合わせる中で生まれていく友情や恋、葛藤や喜びがジンワリ感動的に描かれています。
仕事現場でのハプニング続出が何だかとってもリアルだし、仕事疲れを笑って吹き飛ばすにも最高の映画だと思います。
作品を観終わる頃には”日々溜め込んだストレス”がスルっと剝がれ、優しい気持ちに戻れるんじゃないかと思います。
むしろ、完璧主義者こそ笑える作品です。

映画『セラヴィ!』あらすじ


長年ウエディング業界で手腕を振るってきたベテランプランナーのマックス。
本日の挙式はフランスでも有数の由緒ある古城、クランス城が舞台となる。
しかも”引退” を考えてきた自身にとっては”最後の花道”ともなる特別な結婚式!
この美しい古城で、豪華絢爛かつ感動的な式を創り上げるべく段取りに奮闘します。
必至で経営してきた会社の売却先も見つかり、経営陣としても今日が最後かも…。
いつものように気心知れたスタッフ達を集合させ、全ては上手くいくはずだった。

しかしながら、油断は禁物だ。
ーなぜなら、、、お抱えスタッフ達は一人残らず問題児・・・ばっかりだからー
そして「もしや…」と案じていたとはいえ、今日に限って色々と問題が起こり始める。
義弟で給仕のジュリアンがパジャマで出社するわ、来るはずだった歌手が体調を崩し、明らかにテイストの違うシンガー&バンドが到着するわ、指導係のアデルが誰彼構わず悪態ついて現場を掻き乱すわ、薄々分かってはいたものの新郎ピエール自体が”変人”だわで、次から次へとハプニングが連発していく。
これまで培ってきた経験をフル回転させ、あの手この手で事態を収拾していくが…!

映画『セラヴィ!』ーキャラクター達が変すぎる!? ー クセが強い登場人物10人を一挙紹介!


<登場人物の性格分析&キャスト紹介>


マックス・アンジェリ(主人公:ウエディング会社経営&プランナー)/ジャン=ピエール・バクリ


マックス・アンジェリは主人公で、長年ウエディング業界で手腕を振るってきたベテランプランナー。
ウエディング会社を運営してる経営者でもあります。
奥さんはいるのですが、仕事が忙しく家を空けることが多かったのか…別居中。
しっかり者の女性スタッフ ジョジアーヌと職場恋愛の末、不倫関係を続けてきました。
機転の利いた対応力・判断力・統率力を兼ね備えつつも親分肌・・・が仇となり、ポンコツすぎて行き場のない親戚や友人、移民外国人などを教育がてら・・・・・雇っている。
スタッフたちがノビノビ気ままに振る舞うせいで、マックスは日々粗相そそうの対処に追われてきました。

映画『セラヴィ!』/甘いシネマ


そんなマックスを演じてるのはジャン=ピエール・バクリJean-Pierre Bacri)。
フランスが誇る名優で、国民からは”愛すべき文句言い”として親しまれた人。
リュック・ベンソン監督作品『サブウェイ』の刑事役でも有名ですね。
脚本家としても手腕を発揮してて、映画監督兼脚本家の妻アニエス・ジャウイと共に多くの作品を残し、セザール賞最優秀脚本賞を4回も受賞しています。
劇中ずっとしかめっ面で怒ってばっかりなんだけど…キュートな哀愁・・・・・・・?みたいなもんが全面に漂ってて、何だかんだ場面場面でキュンとさせられる。
最後に見せた笑顔が本当に素晴らしかったです!

ギイ(マックスの親友:婚礼カメラマン)/ジャン=ポール・ルーヴ


ギイはマックスの親友で、マックスが婚礼カメラマンとして雇ってる男。
しかしながら彼は、やり手の親友にたかってるだけのグータラ男で使い物になりません。
空気読めないのにプライドばかり高く、ベスポジでスマホ撮影するゲストに悪態をついてしまう。
それでいて自分には甘く、ゲストテーブルのスイーツを食べまくりながら”りんご飴スモーク”を吹かしてる。
そんな奴なのでマックス以外からのオファーは皆無なのですが、インターンの少年には先輩風吹かせてますww。(こんな人、意外に多いですよねw)

映画『セラヴィ!』/甘いシネマ


そんなギイを演じてるのはジャン=ポール・ルーヴJean-Paul Rouve)。
2000年代のフランス映画界に於いて”最も素晴らしい名バイプレーヤー”と讃えられ、それが故にセザール賞まで受賞した演技派俳優です。
2000年代と言えば、人気女優マリオン・コティヤール主演の映画『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』にも出演してましたね。
ピアフの父、大道芸人のルイ・ガションを演じていい味出してました。
本作での役柄は、コメディ出身だった彼にとっては十八番中の十八番でしょう。
子憎たらしいダメンズ野郎に徹しつつも最後には涙腺を刺激する…そんな懐深い表情遣いが流石です!

ジェームス(臨時スタッフ:余興バンドのシンガー)/ジル・ルルーシュ


ジェームスは余興バンドのシンガーです。
バンド名は”ジェームス・ライブ・バンド“!(早口で言うと、ジェームス・ボンドに聞こえるww)
元々依頼してたエレガント系シンガーが体調を壊したせいで、余興&司会進行として急遽雇われたバンド。
しかしながらこのバンドはエレガントとは程遠いロック系だし、ジェームスはスター気取りで激しいシャウト・・・・・・・が売り。
ゲストを煽ってナプキン振り回しそうな勢いです(笑)
因みにジェームスというのは芸名で、本名は”エティエンヌ“らしい…www。
怒りで我を忘れると、「ジェームス!」と呼ばれても気付かなかったりするとこが可愛い♡

映画『セラヴィ!』/甘いシネマ


そんなジェームスを演じてるのはジル・ルルーシュGilles Lellouche)。
フランスでは50本以上もの映画に登場するベテラン俳優です。
俳優業だけじゃなく監督・脚本もこなす彼は、2018年に監督・脚本を手掛けたコメディ映画『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』でセザール賞10部門を掻っ攫いました!
そして本作で彼が演じたスター気取りジェームス、個人的には一番ツボりましたww。
「真面目でユーモアが無かったり、逆に笑えるだけで真面目なところが無い映画は好きじゃない。」と語る彼、その神髄が如何なく発揮されてる絶妙な間合い・・・・・・がタマらない。
特に変人ピエールと対峙する時の顔、表情のキレ・・がおもしろ過ぎました。


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ジュリアン(マックスの義弟:メンヘラ給仕スタッフ)/ヴァンサン・マケーニュ


ジュリアンは常にメンヘラ気味の給仕スタッフです。
変に知識過多で、会話中の言葉をいちいち正すので全く物事がすすまないww。
そして面倒なことに、人を正すからと言って自己抑制が効く訳じゃないんです。
パジャマで出勤したり、式真っ最中の新婦さんを口説いたり、雰囲気だけでスタッフの出身国を決めつけたり…。
人の間違い直しに必死なせいで、自分が間違いだらけなのに気が付かない(笑)
まさにメンヘラの極み…!
それでもマックスにとっては妻の弟だし、自分が雇い、育てるしかないって思われてるんです。
目の上のたん瘤“って、こーゆー人の事を言うのですねww。

映画『セラヴィ!』/甘いシネマ


そんなジュリアンを演じてるのはヴァンサン・マケーニュVincent Macaigne)。
本作で演じたジュリアンとは違い、多彩な才能の持ち主です。
劇作家も兼ねて長年舞台に立ち、映画監督としても手腕を発揮。
2013年には5本もの映画に主演・出演し、「新時代のジェラール・ドパルデュー!」と喝采を浴びました。
本作でのヴァンサンは”相当なウザキャラ”ですが、手に負えない子供みたいな憎めなさ、軽快な抜け感・・・・・・で不思議な癒し効果を発揮していますね。

アデル(マックスの助手:喧嘩っ早い女性スタッフ)/アイ・アイダラ


アデルはマックスの助手で、やたら喧嘩っ早い女性スタッフです。
導火線が短いせいで誰にでもすぐ突っかかっていきますし、すれ違う人に笑えない・・・・ブラックジョークを吐き捨てケタケタ笑い出す始末。
そんなアデルがこの日にロック・オンした標的・・スター気取りのジェームス!
あまりに好敵手すぎて笑えますww。
(ラスト付近には伏線回収よろしく”超絶オモロー”が待ち構えています!)
一見すると無鉄砲・・・に輪を乱してるように見えますが、根がしっかり者なので“押さえるべきとこは押さえている“のが救い。
だからこそ、マックス的には𠮟り方・・・に困ってしまうのですが…。
賢さとリーダーシップを兼ね備えた女性なのです。

映画『セラヴィ!』/甘いシネマ


そんな彼女を演じたのはアイ・アイダラEye Haidara)。
主に舞台で活躍してきた彼女でしたが、本作でアデル役を演じて一躍注目の的に!
リュミエール賞では最優秀女性希望賞を受賞し、セザール賞でも同部門にノミネートされています。
(最近ではニコン賞で”審査員”まで務めるまでに!)
とんがらせてぶっ放す”喧嘩砲“、全開でねちゃう子供っぽさ、時折見せる女の顔…全てがいい塩梅だったので、ストーリーが進むにつれだんだん彼女が好きになっていきました♡

ピエール(本挙式の新郎様:変人ナルシスト)/バンジャマン・ラヴェルネ


ピエールは結婚式の主役、新郎様です。
始めは <モンスター新郎かな?>ぐらいにしか思ってなかったんだけど、じわじわと”変人”が浮き彫りに…。
とにかく注目されたい人で、花嫁そっちのけで”自己プロモーション”の段取りに粉骨砕身ふんこつさいしんしています。
皆の視線、そして皆からの尊敬心、皆からの拍手喝采に包まれたい人なのです。
○時間に及ぶスピーチ、そして宝塚越え・・・・の空中サプライズww。
奇行に次ぐ奇行で爆笑をさらいます。
「かなりズレた新郎だな…」と囁かれ、「殴ってやりたい」とマックスを憤慨させる変人ナルシストなのです。

映画『セラヴィ!』/甘いシネマ


そんなピエールを演じてるのはバンジャマン・ラヴェルネ(Benjamin Lavernhe)。
フランスが誇る国立劇団コメディ・フランセーズ出身で主要メンバーだそうです。(古くはシェイクスピアも所属していた由緒ある劇団)
デビュー時から数々のコメディ映画で経験を積み、本作出演でセザールの”ベスト男性新人賞”にノミネートされました。
自意識過剰な人あるある・・・・・・・・・・・な仕草や表情、トリッキー過ぎるダンスetc…変態行動をガンガンに見せつけられて腰砕けそうになりました(笑)
お腹よじれました。面白すぎるww

エレナ(本挙式の新婦様:ド天然さん)/ジュディット・シュムラ


エレナは”お騒がせ新郎”ピエールの結婚相手。本挙式の新婦様です。
ピエールの奇行・・にも心から感謝し、いつだって天使の笑顔を浮かべてるド天然さん♡
しかしながら、その天然が災いして<ある男>から猛アプローチを受けることに。
エレナを口説く<ある男>とは…メンヘラ給仕のジュリアンww。
空気の読めないジュリアンにまで”天使の笑顔”を送り続け、ダンスの誘いにも快く応えるエレナ。
何があっても我関せず微笑んでる(笑)
無敵の朗らかほがらかさで”この世の矛盾”を無きものとしています。
あの笑顔があれば少々の荒波なら乗り越えられるはず!

映画『セラヴィ!』/甘いシネマ


そんな天然姫エレナを演じてるのはジュディット・シュムラJudith Chemla)。
新郎役のバンジャマン・ラヴェルネと同じく国立劇団コメディ・フランセーズの主要メンバーです。
本作の前年2016年にはモーパッサンの小説を映画化した文芸映画『女の一生』でセザール主演女優賞にノミネートされてた実力派。
そして本作での彼女は…とにかく可愛かった♡
あの微笑み、同じ女でもとろけちゃいます。(フランス好きされる顔だと思う)
でも彼女の見せ所は後半!”もう一つの笑顔”が情感たっぷりで胸に沁みました。

サミー(臨時の給仕スタッフ:偽りの経験者)/アルバン・イヴァノフ


サミーは臨時給仕スタッフで、誰の目にも明らかな社会不適合者です。
挙式当日、助手のアデルはスマホ慣れ・・・・・しないマックスからの誤送メールを受け、”貴重な給仕”をとっとと追い出してしまいました。
即座に欠員補充して名誉挽回したいアデル!…そこでロック・オンされたのが”有難き暇人ひまじん“サミーだった。
ヨレヨレのスーツ片手に無精髭で現れた「偽りの経験者」サミーに毒づくアデル。
期待に応えようとする度に大失態を冒しちゃうサミー。
悪い人じゃないんです!友の為にと思い、彼なりに努力してることが全部ズレてるだけww。
憎み切れない”オトボケ顔”がズルいです。

映画『セラヴィ!』/甘いシネマ


そんなサミーを演じてるのはアルバン・イヴァノフAlban Ivanov)。
本作に出演するまではコメディー・エンターテイナーとして主にTVや舞台で活躍してた人です。
だけどジェームス役共演者ジル・ルルーシュがアルバンを気に入り、自身がメガホンを取ったセザール総なめコメディ映画『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』に起用してからはコンスタントに映画出演し続けています。
一見にして笑える”オトボケ風情”がスクリーンを和ませる彼。
エリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュ監督コンビが手掛けた2019年の映画『スペシャルズ!』にも再登場しています。


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ジョジアーヌ(マックスの愛人:常識ある給仕スタッフ)


ジョジアーヌは給仕スタッフで、錚々たるクセ強メンバーの中では一番常識ある人。
だけど、マックスの愛人ですww。
そして常識人だからこそ、秘密裏・・・に育んできた不倫に悩んでる。
「だったら正当性のある関係に変えればいい!」とばかりに、分かりやすく”マックスの嫉妬心”を刺激し始めます。今日に限って(笑)
若造パトリスに色仕掛けし、これ見よがしにいちゃつき・・・・・始めます。
羞恥心を捨て、目も当てられない非常識行動に走っちゃうくらいにマックスを愛してるのです。

映画『セラヴィ!』/甘いシネマ


そんなジョジアーヌを演じてるのはスザンヌ・クレマンSuzanne Clément)。
フランス人俳優総出演の中、彼女だけはカナダ出身です。
内緒の恋を象徴する”視線の演技”が艶めかしくて素敵でした。
TV女優として人気だったのですが、円熟味を増した30台後半からは映画でも活躍中。
Netflixで配信中のTVシリーズ「ヴェルサイユ」(シーズン2)にも登場してるみたいです。
(シーズン2には私の好きなグレタ・スカッキも出演してることが判明!さっそくチェックせねば!)

ロシャン(皿洗いスタッフ:マックスの口実作り役)


ロシャンはスリランカ系移民で、皿洗いスタッフとして雇われている男。
片言かたことのフランス語とヘラヘラ顔・・・・・で馬鹿にされがちですが…実はスタッフで一番空気が読める男。
同郷の皿洗い仲間を束ね、自分らをイジッてくるポンコツたち内緒の・・・母国語で・・・・嘲笑って楽しんでいますww。
スリランカ語とパキスタン語の区別も出来ない博識気取り・・・・・のメンヘラ男ジュリアンなど一溜りもない。
そしてロシャン率いる皿洗い仲間は、スリランカ時代から一緒に音楽を演っていた盟友です。
サラッと流してたけど…これは伏線でしたね♡
人懐っこさが買われてか、今回の挙式では変人ピエールの元からマックスを連れ出す”口実作り役”を任されちゃいました(笑)

映画『セラヴィ!』/甘いシネマ


そんなロシャンを演じているのはマンサン・バスキー(Manmathan Basky)。
俳優としての詳細は少ないのですが、スリランカの内戦を逃れる為の亡命で様々な国を渡り歩いた苦労人みたいです。
1992年くらいから移民大国フランスでの暮らしに落ち着いたそう。
どこか達観したような豪快な笑い声、堂々の懐深さ・・・が丁度よく心地いい。
サミー役のアルバン・イヴァノフと同じく、2019年にはエリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュ監督の『スペシャルズ!』に再登場しています。



映画『セラヴィ!』に込めた監督のメッセージとは!? ー悲壮な世の中を笑い飛ばし、ポジティブに前進することの大切さー


映画『セラヴィ!』/甘いシネマ


映画『セラヴィ!』は、全編シュールな笑いに包まれた婚礼ヒューマンドラマ。
絶対に・・・失敗が許されない“誰にとっても特別な式典、結婚式の舞台裏が”覗き見感覚”で楽しめる作品。
失敗が許されないのに失敗しかしない・・・・・・・お粗末スタッフ・・・・・・・を束ねるベテランプランナーの”気が気じゃない一日“を面白可笑しく描いてる。
でも、ただ笑えるだけじゃない。
実はこの作品にはエリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュ監督コンビの”切なる願い”が込められているのです。

本作『セラヴィ!』が公開されたのは2017年。
2015年パリ同時多発テロ事件でフランス国民が塞ぎ込んでいた時期です。
SNSが普及し”密な交流”が箕臼になり始めた頃とも重なります。
本作に登場するキャラクターは世代・個性・国籍もバラバラで、本来なら全く接点無い人達なんだけど”1つの目的“に向かって陣営を組み、失敗覚悟で一斉に走り出します。
世代の断絶、心の闇、格差、移民問題、就職難etc…フランスが抱える全ての悩みが、実はキャラクター1人ひとりに分担され投影されている。
揃いも揃ってポンコツなのはたぶん、そのせいなんですね。

それでも彼らは”1つの目的”に向かって協力し合い、不器用に愛や友情を育み、スッタモンダしながらも”喜びのステージ“に到着する。
エリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュ監督は、フランス国民が沈んでる時期だからこそ”前に進むためのユーモア”を提供したかったそう。
登場人物たちのドタバタに笑い、悲壮な世の中を笑い飛ばし、「こんな世の中だからこそユーモア精神を忘れず、ポジティブに前進することが大切なんだ。」という事を”国民へのメッセージ”として描きたかったのです。

映画『セラヴィ!』~クランス城の美しさ、感動の音楽に酔う~


映画『最高のふたり』の時もそうでしたが、本作『セラヴィ!』もロケーションが相当美しいです。
舞台となる古城はフランス郊外にあるクランス城。
ルネッサンス様式の水の庭を擁し、古典様式とロマン主義が融合する美しいお城。
ルイ13世が所有してたそうです。
撮影期間中の4ヵ月、監督コンビはこのお城でずっと寝泊り出来たそうで羨ましい限り。。
内装もエレガントで、格式高いインテリアやアンティークな装飾品に心トキメく。
そして17世紀バロックスタイルの上流階級コスプレ衣裳がまた”いい仕事”してます。
結婚式の舞台裏だけじゃなく、美しきクランス城の中まで”覗き見”出来ちゃうのが嬉しい♡

そして、夜のクランス城にいっぱいキャンドルを灯して奏でる即興ライブも圧巻の美しさ!
異国情緒満点なスリランカの伝統音楽&キャンドルに囲まれてムード満点な夜。
感動の音楽に包まれて踊る人々…。
鳥肌が立つほどに妖艶で、すっかり魅了されてしまいました。。

映画『セラヴィ!』ー印象に残ったセリフ10選ー


「クソくらえよ。アホ面のくせに!」

映画『セラヴィ!』/甘いシネマ


これは、初対面で”ロック・オン”されたジェームスがアデルに叫ばれた言葉。
「アホ面のくせに!」という、「のび太のくせに」的な侮辱が単純に笑えましたww。
戦意喪失しそうです(笑)

「前進したければ自分を変えるんだ。」


これは、暴言で輪を掻き乱すアデルにマックスが放った言葉。
どんな変わり者にも冷静に適応し”自ら”手本を示せと説き伏せます。
代理人という肩書(ポジティブな責任)を与え、彼女の出世欲を満たしつつ教育してるんです。
とは言え、マックス自身も現代社会に適応出来きってないのですが…。
説教するって、自分自身をも律する・・・・・・・・・行為なんですよね。

「上品さを求めたはずだが?ショーにしたくない。タオルを振り回すのもゴメンだ。」


上品でエレガントな結婚式に拘る新郎ピエールが、”ジェームスの暴走“を死守すべく放った言葉。
一世一代のサプライズ&自作自演・・・・ショーに命懸けの変人ナルシスト、ピエール。
一方、”今夜は盛大なショーにするぞ!”とばかりに鼻息荒いスター気取りのジェームス。
この2人の会話は掛け合い漫才のようでいて、まるで噛み合わないww。
大きな前振り“に期待がこみ上げます。

「ノドをあたためてる。」


これ大好きww。
ジェームスってば神出鬼没で、広い庭園のあちこちに現れては”激シャウト”しています
「ノドをあたためてる…。」と言いたくて。

「スリランカでは音楽をやってた。ほかの皿洗いたちと一緒にね。」


メンヘラ系インテリのジュリアンは、皿洗いロシャンの事をパキスタン人だと決めつけています。
フランスは移民大国だけど、実際には彼らの人格を尊重していないよねっていう”移民問題”を風刺している。
悪気無いジュリアンに、悪気無いフランス人たちを投影してる。
でもロシャンは一流の音楽人です。母国スリランカでは皿洗い仲間たちと素晴らしい音楽を奏でてた。
誇り高き彼らは、差別なんか蹴倒してユーモアで笑い飛ばしてるんです。

「イライラは禁物だ。冷静に対処しろ。」


いよいよ結婚式が始動する時刻になり、全スタッフを集めマックスが言ったセリフ。
これはスタッフの尻をたたく言葉であると同時に、自分自身に強く言い聞かせる為の言葉でもありました。
これまでマックスは、スタッフがハプニングを起こす度に冷静さを心掛け、作り笑いで自分を抑制し、経験値をフル稼働させて対処してきました。
最後の花道・・・・・もこの精神で乗り越えられるはずだ!と信じたかったんですね。
皮肉にも、この戒めはそっくりそのまま自分に帰ってきちゃうのですが…。

「僕だよ。。。!?」


これまたジェームス&ピエールの笑撃対戦。
ゲスト達から”リスト外”のリクエスト砲を受け、忙しそぉ~なジェームスに颯爽と近寄るピエール。
パーティーの初め、僕が合図したら”こう言って欲しい”と頼みます。
「今夜のパーティーを準備し、成功に導いた重要な人物に礼を言いたい…。ピエール・・・・のお陰だ!」と。
「・・・?」
「ん?わかりました・・・(じゃあ)ピエール・・・・を紹介してくれ。」
だよ。。。」
「・・・!(絶句)」
本日の主役、新郎の名がピエール・・・・だと知らなかったジェームスにも笑えますが、堂々と”自作自演”の手伝いを頼むピエールの変人さ・・・にもグッときますww。

「白状しますが、スピーチは苦手です(照)」


自作自演に加担せざるを得なかったジェームスのイヤイヤの紹介・・・・・・・を受け、
「えぇ~っ!やめてくれよぉ~お(照)」と恥ずかしがるフリしながらステージに上がったピエールが放った珠玉の一言。
何も知らないゲスト達にとっては”悪夢の前フリ”でしたねww。
その後、○時間にも及ぶ”変態スピーチ“が待っているとは思いもしなかったでしょう…。

「ナプキンを振り回して!ヘイ!愛のヘリコプターだっ!!」


この一言を発したのは、もちろん・・・・ジェームス。
あれほど「タオルを振り回すな」言われてたのに…期待通りの展開!
ゲスト達を威勢よく煽り、パーティー会場は頭上を回るナプキンで埋め尽くされてしまいます。
呆然と立ちすくむピエール。
膝から崩れ落ちそうなマックス。
ジェームスのシャウトに盛り上がるパーティー会場。
さすがに爆笑してしまいましたww。

「自分たちで考え、うまくやれ。」


結局何もかも失敗し、さすがのマックスも今回ばかりは冷静さを失ってしまいました。
最後の花道がメチャメチャになり、得意の作り笑顔も出来なかった。
経験値をフル稼働させたけどスタッフの誰も成長しちゃいないし、もうこんな人生どうでもいい!
怒鳴り散らし、悪態の限りを尽くすマックス。
マックスのこんな姿を見たこと無いスタッフ達は、初めて我に返ります。
「自分たちで考え、うまくやれ。」と立ち去るマックス。
もう俺は帰ってこない。
でもスタッフ達は、マックスの悪態に傷つくどころか「期待に応えよう」と立ち上がりました。

何のことは無い、もっとスタッフを信用すれば良かったんです。
マックスは、自分一人で”何とかしよう”と思い過ぎてたんですね。

最後に


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今回はフランス映画『セラヴィ!』について色々と喋ってみました。
これだけ笑わせて感動に浸らせてくれるエリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュ監督、そしてさり気なくも味わい深い俳優陣に脱帽です。
紹介しながらもまた観たくなる、愛すべき作品です。




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映画レビュー2000~2010年代フランス映画コメディー系ヒューマン・人間ドラマ
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